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第6章 / 全8章

売り出す

必要なもの:第5章で書いた初稿 / レッスン数:6 / 読む時間:約22分 / この章でやること:住所の壁を越え、値段を付けて公開し、売上を記録する

初稿ができたら、あとは売り出すだけ——なのですが、ここで初心者の手が止まる壁がいくつかあります(住所、テンプレの渡し方、お金の現実、規約)。1つずつ片付けてから、最後に公開します。

6-1 4分

住所の壁を越える

noteで有料記事を売るとき、多くの人がここで手が止まります。「住所や電話番号を、全世界に公開しなくちゃいけないのか」という不安です。先に結論だけ言うと、常時公開しなくて済む方法があります。ただし「絶対に出さなくていい」わけではないので、正確に知っておきます。

  • 個人でも表示義務の対象になり得る。特定商取引法(ネットで商品やサービスを売る人に、事業者情報の表示を義務づける法律)では、「販売業者」にあたるかどうかは、営利の意思を持って反復継続して取引を行うかどうかで決まります(消費者庁の基準)。本人が「趣味のつもりだった」と思っていても関係なく、客観的に判断されます。有料記事を継続的に売れば、個人でも対象になり得ます
  • 対象になった場合の原則は、氏名・住所・電話番号の表示。氏名は本名(屋号やニックネームだけでは不可)、住所は実際に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号を、販売ページに表示する必要があります
  • ただし「請求があれば遅滞なく開示する」方式なら、常時公開は省略できる。販売ページに「請求があれば遅滞なく開示します」という趣旨を書いておき、実際に請求が来たらすぐ開示できる体制を整えていれば、住所などの常時掲載を省略してよい、という制度が法律上あります。「絶対に出さなくていい」のではなく、「求められたら出す前提で、普段は隠せる」という制度だと正確に理解してください
  • noteには、この請求時開示に対応できる仕組みがある(設定画面で「開示請求があった場合は遅滞なく開示します」という趣旨を選べる)とされています。ただし最新の画面は、必ず自分の目で確認してください。ここは一次資料での直接確認ができておらず、間接的な情報にとどまります

表示義務を欠いたまま売ると、法律違反になり得ます。行政からの改善指示・業務停止命令や、悪質なケースでは刑事罰の対象になる制度もあります。個人が有料記事を1〜数本売る程度でどこまで摘発の対象になるかという水準は、公的な情報では確認できませんでした。だからこそ、最初から正しい方式(請求時開示)を選んでおくことが大事です。

くわしくは別ページで 自宅住所を出さずにネット販売する方法 noteの請求時開示と、住所だけ借りるサービス(バーチャルオフィス)の2つの対処を、費用の目安つきでまとめました
課題

「noteの請求時開示を使う」か「バーチャルオフィス(住所を借りるサービス)を使う」か、対処を1つ選んで作業シートに書いてください。迷ったら/jushoで比較してから決めて構いません。

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6-2 4分

買った人にテンプレを渡す方法を決める

「入っている物」に、コピーして使えるテンプレ(買い物リストのひな形など)を含めているなら、記事本文とは別に、そのファイルを買った人へ渡す方法を用意しておく必要があります。note記事の本文に直接貼り付けられるのは、基本的に画像や動画です。テンプレの中身を見せるだけなら画像化で足りますが、Excelやスプレッドシートのファイルをそのまま渡したい場合は、置き場所を別に用意します。

方法やり方
画像として貼るテンプレのスクリーンショットを撮り、有料部分に画像として貼る。読者はそれを見ながら自分のメモ帳などに書き写す。コピーはできないが、内容は伝わる
Googleドライブで共有テンプレファイルをGoogleドライブに置き、共有リンクを発行して有料部分にそのリンクを貼る。共有設定は「リンクを知っている全員」+「閲覧者(編集不可)」にする。読者はリンクを開いてファイルを見たりコピーしたりできるが、元ファイルは書き換えられない

Googleドライブ方式には流出リスクがあります。「リンクを知っている全員」に権限を与えるため、そのリンクをSNSなどに転載されると、買っていない人にも見られてしまいます。完全に防ぐ方法は無いに等しいので、最初はそこまで割り切ります。気になる場合は、ファイル内に「無断転載・再配布禁止」の一文を入れておくと、少なくとも「知らなかった」を防げます。

課題

「画像として貼る」か「Googleドライブで共有する」か、渡し方を1つ決めて作業シートに書いてください。テンプレのような渡す物が今は無い構成でも、次にテンプレを作ったときどちらの方法を使うかを1つ決めて書いておいてください。

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6-3 4分

値段と手取りを知る

値段を付ける前に、2つの事実を知っておきます。「相場はいくらか」と「売上のうちいくら手元に残るか」です。

noteの有料記事50本を実際に調べました(2026-09-02実施、独自調査)。

価格帯本数割合
〜300円未満5本10%
300〜499円5本10%
500〜999円23本46%
1000円以上17本34%

一番多いのは500〜999円の価格帯(46%)で、中央値は880円でした。ただしこれは、すでに実績がある発信者も含めた相場です。実績ゼロの1本目は、この相場より一段下げるのが安全なので、このコースでは最初の1本を300〜500円の範囲で決めることを勧めます。受講者Aの食費の例は中間の400円、数日型(スマホ乗り換え)の例は情報量がより少ない分、一段下げた300円にしました。

次に手取りです。noteで有料記事が売れると、決済の手数料とnoteの利用料が引かれます。決済方法によって手取り率は変わり、およそ76〜85%です。

決済方法手取り率の目安
クレジットカード約85.5%
PayPal約84.15%
PayPay/Amazon Pay約83.7%
noteポイント約81%
携帯キャリア決済約76.5%

注意:これは振込手数料を含まない数字です。振込のたびにかかる振込手数料270円は、売上額に対する割合ではなく、1回の振込につき定額でかかります。つまり売上がまだ小さいうちは、実際の手取り率がこれよりだいぶ下がります。note公式の計算例では、1,000円の記事が1件売れた場合(クレジットカード決済)、決済とnoteの手数料を引いた時点で855円ですが、そこから振込手数料270円を引くと、実質の手取りは585円(58.5%)になります。売上が積み重なって1回の振込額が大きくなるほど、この270円の影響は薄れ、手取り率は76〜85%に近づいていきます。

入金されるまでの時間も知っておきます。売上が確定するのは毎月2日。前月末までの未振込の売上合計が1,000円以上になったら、振込を申請できます。申請したタイミングによって、当月末か翌月末に振り込まれます。今日売れても、すぐには入金されません。

参考までに、受講者Aの実価格400円で売れた場合の手取りは、カード決済で340円、キャリア決済で304円です。

課題

自分の記事が500円で1本売れたとして、クレジットカード決済とキャリア決済、それぞれの手取り額を計算し、作業シートに書いてください(目安の計算式:500円×0.85=425円、500円×0.76=380円)。

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6-4 4分

売り文句と規約の自爆を避ける

良い記事を書いても、書き方1つで規約違反になったり、読者の信用を失ったりします。公開前にここだけ点検してください。

noteの規約には、ユーザーに著しい誤解を招く表現(「必ずもうかる」等)を用いたコンテンツを禁止する条項があります。次のような表現は避け、言い換えます。

NG言い換え
必ず稼げます/絶対に成功します「効果には個人差があります」「保証するものではありません」と明記する
誰でも簡単に/今すぐ楽して実際にかかった時間や手間を、盛らずにそのまま書く
購入ボタンの近くで価格の言い訳をする(「100円にしようか迷いました」等)言い訳を書かない。自信のなさは読者に伝染します

返金の設定も、公開前に決めておきます。noteの有料記事には、購入者向けの返金申請機能が標準であります。デフォルトは「返金を受け付ける」設定で、購入後24時間以内なら申請できます(24時間を過ぎると原則申請不可)。審査は自動ではなくnote側が行うため、申請すれば必ず返金される、というわけではありません。受け付けたくない場合は、公開設定の中で「返金設定」をOFFにすれば「返金不可」の記事として公開できます。

最後に、アカウントが止まるリスクにも触れておきます。noteの規約には、利用者が規約に違反した場合、事前の通知なしにサービスの利用を停止できる、という趣旨の条項があります。誇大な表現や、自分の記事を自分で買う行為(実績の水増しになるため禁止されています)は、この対象になり得ます。

課題

自分の記事の導入文を上のNG表と照らし合わせ、当てはまる表現があれば直してください。あわせて、返金を「受け付ける」か「受け付けない」かを1つ決めて作業シートに書いてください。

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6-5 3分

有料設定して公開する

ここまで決まれば、あとは画面の操作だけです。

記事を書き終えたら「公開に進む」を選び、「有料」に切り替える

価格を入力する欄が出ます。設定できる範囲は100円〜50,000円(プレミアム会員・note pro会員は10万円まで)。今回は300〜500円にします。

「有料エリア設定」を開き、無料で見せる段落の最後を選んで、そこより下を有料にする

有料ラインは段落と段落の間にしか置けない点に注意してください。ここは第1章1-2で観察した「無料と有料の切り方」と同じ話です。50本を調べた結果、切り方に唯一の正解はなく、「目次だけ無料で見せる型」「結論の一歩手前で止める型」など複数のパターンがありました。第5章で決めた自分の仕切り位置を、ここで技術的に設定するだけです。

「投稿する」で公開する

ログインしたままの自分の画面には購入ボタンが出ません。ログアウトするか、シークレットモード(閲覧履歴を残さないブラウザの表示方法)で開いて、無料部分の終わり方や購入ボタンの見え方を確認してください。

※画面の名称や配置はnoteの仕様変更で変わることがあります。

課題

300〜500円で有料設定して、公開してください。

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6-6 3分

売上を1行残す

公開した瞬間から、記事は24時間働く店になります。売れても売れなくても、記録だけは残しておきます。難しい帳簿は要りません。1行で十分です。

記録の型日付|商品名|金額|決済方法(例:2026-10-12|有料記事1本|400円|note)

この1行が、税金の話をするときの元データになります。副業の税金は、売上が出た時点から関係してきます。

くわしくは別ページで 副業の税金はいくらから?20万円ルールの誤解と住民税の話 「20万円以下なら申告不要」は半分だけ正しい情報です。読んでおくと安心ですが、売上が立つ前に止まる理由にはしないでください
課題

作業シートに「売上の記録欄」を1つ作ってください(上の型で1行書ければ完了です。まだ売れていなくても、欄を作るところまでで課題は達成です)。

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